何日か前の新聞記事で、イスラエルが、アゼルバイジャン国内の軍事施設を利用して、イランへの攻撃拠点としようとしているという内容のものがあった。これには結構驚いた。旧ソ連軍が整備した軍事施設を利用してイラン攻撃とは、考えたものである。最短距離のカスピ海上を飛行して、イランの核軍事施設を打撃することが可能になってしまうであろう。
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アゼルバイジャン:イランとイスラエルの板挟み 「核」で対立、双方からスパイ
核開発を進めるイランとイスラエルの緊張が高まる中、カスピ海沿岸の小国アゼルバイジャンを巡って両国が激しい綱引きを繰り広げている。イランの北隣にあるアゼルバイジャンをイラン攻撃に備えた拠点にしたいイスラエルと、それを阻みたいイランが対立しているのだ。双方がスパイを送り込む“戦場”となったアゼルバイジャンは、自国の立ち位置に苦悩している。
アゼルバイジャンは旧ソ連から91年に独立。人口約900万人の7割がイスラム教シーア派で、シーア派宗教国家・イランとの関係が深い。
しかし、イランへの敵対姿勢を強めるイスラエルがアゼルバイジャンに急接近。AP通信によると、イスラエルは2月末、アゼルバイジャンとの間で約16億ドル(約1300億円)の武器取引の契約を締結した。
イスラエルはイラン核施設への空爆を計画しているとされるが、両国は1500キロ以上離れ、給油などで近隣国の協力が不可欠だ。イランは「イスラエルがアゼルバイジャンを攻撃拠点とするのでは」と警戒。アゼルバイジャンは、イスラエルの情報機関モサドとイラン革命防衛隊員が暗躍する「スパイの巣窟」になっているといわれる。
3国の関係に影を落としているのが、今年1月、テヘランでイラン人核物理学者が殺害された爆弾テロ事件だ。イラン政府は「モサドが支援、計画した犯行」(最高指導者ハメネイ師)と断定してイスラエル非難を強め、同時に「犯人の逃走を助けた」としてアゼルバイジャンに抗議した。
イスラエルのアゼルバイジャン「侵食」にイランは焦りの色を見せている。イラン国営放送によると、イランは3月12日、アゼルバイジャンのアビエフ国防相をテヘランに呼び、「自国領土をイラン攻撃拠点に使わせない」との言質を引き出した。
一方、アゼルバイジャン当局は1月下旬以降、イスラエル要人を狙ったテロ計画に関与した疑いで不審人物を相次いで逮捕した。3月中旬にはスパイ容疑で22人を拘束。いずれのケースにもイラン革命防衛隊の関与が指摘されている。イラン外務省は17日、「イスラエル側のたくらみに乗せられている」と反論。両国の板挟みになっているアゼルバイジャンだが、戦争になればイランからの難民の流入も予想され、難しい対応を迫られている。
(2012/03/26) -毎日新聞-
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【アゼルバイジャン共和国の位置と周辺国】

(地政学的にも非常に重要な位置に国土がある。)
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アゼルバイジャンに拠点か イスラエル
米誌フォーリン・ポリシー電子版は29日までに、米外交当局高官らの話として、イスラエルが最近、イランに隣接するアゼルバイジャンの空軍基地を使用する許可を得たとみられると伝えた。米政府当局者は、イスラエルが対イラン攻撃に使う恐れがあると懸念しているという。
イスラエルはイランの核武装を阻止するため、先制攻撃に踏み切る可能性が指摘されている。イスラエルからイランの核関連施設までは千数百キロ離れているため、空爆は困難とみられていたが、アゼルバイジャンの基地を使えれば空中給油の必要がなくなるという。
同誌によると、アゼルバイジャンには既に使われていない旧ソ連時代の軍用飛行場が4カ所あり、イスラエル軍はそれらを使えるようになるとみられる。
(2012/03/29) -MSN産経-
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【イラン国内の主な核施設と周辺国の地図】

(あまたある施設の中でも、ターゲットはテヘラン近郊のパルチン軍事施設。)
これは現実的に、イラン攻撃への布石が着々と打たれていると見て間違いない。おそらく、アゼルバイジャン国内の基地へ、攻撃用の航空機が移動した後、警戒線の背後を突く形で、イスラエル国内の基地から、第一波攻撃隊の出撃があるであろう。そう、ウラをかくのだ。そして、第二波もイスラエル国内の基地から出撃するかのような気配をパンパンにさせておいて、今度は、アゼルバイジャンからの奇襲航空攻撃という作戦になるのではないだろうか。地図を見て分かるように、これは典型的な挟撃作戦だ。かつてのイラク原子炉爆撃事件(オシラク・オプション)の時よりも複雑でトリッキーな作戦を展開するであろう。
参考サイト:
└ イラク原子炉爆撃事件(オシラク・オプション) -Wikipedia- (ウィキペディア)
【「オシラク・オプション」イスラエル、イラク原子炉攻撃の全貌】
(イスラエルに「座して死を待つ」という言葉はない。実力行使あるのみ!)
【「オシラク・オプション」イラク原子力施設への軍事攻撃】
(「命中!」 航空攻撃は、分厚い波状攻撃で任務達成。)
イランとイスラエルの戦争ほぼ不可避=著名投資家
スイス出身の著名投資家マーク・ファーバー氏は、イランとイスラエルの戦争はほぼ不可避な情勢であり、中東の政治的リスクが大幅に高まっていると指摘。貴金属と株式への投資がいくぶん安全だとの見方を示した。
ファーバー氏は6日、ロイターの取材に対し「政治リスクは高まっている。遅かれ早かれ、米国もしくはイスラエルがイランを攻撃すると思う。それはほぼ不可避だ」と述べた。
北海ブレント原油先物は足元、イランからの供給懸念などを背景に1バレル=123ドル前後まで上昇。5日にオバマ米大統領と会談したイスラエルのネタニヤフ首相は、対イラン軍事行動も辞さない構えをあらためて強調した。
投資ニュースレター「グルーム・ブーム・アンド・ドゥーム」の発行人でもあるファーバー氏は、「中東やどこかで戦争が勃発すれば、バーナンキ氏(FRB議長)はさらにお金を刷るだけだ。それしか選択肢はない」と指摘。「(投資家は)貴金属市場か株式市場にいなくてはならない。たいていの戦争や社会不安では、企業は破壊されたことはない」と述べた。
(2012/03/08) -ロイター-
基地立ち入り調査要求 IAEA理事会で6カ国共同声明 協議再開、新決議避け
国連安保理常任理事国(米英仏中露)にドイツを加えた6カ国は8日、ウィーンで開会中の国際原子力機関(IAEA)理事会で、イランの核兵器開発疑惑について共同声明を発表した。原爆の起爆実験が行われた疑いのある首都テヘラン近郊のパルチン軍事基地へのIAEA調査団の立ち入りを求めた。欧米諸国には当初、新決議採択で圧力を強めるべきだとの意見もあったが、6カ国とイランの核協議再開が決まったことを受け、交渉を円滑に進めるための環境づくりに配慮した共同声明に落ち着いた。
6カ国の共同声明は、イランが今年1月と2月にIAEA高官級調査団のパルチン軍事基地訪問を拒否したことに「懸念」を表明した。「対話による問題解決」を求めた昨年11月のIAEA理事会決議を踏まえ、昨年1月以来中断していた核協議を再開させることの重要性を確認し、前提条件なしで「実質的な結果につながる真剣な対話」に参加するようイランに呼びかけた。
これに対し、イラン側は条件付きでのパルチン軍事基地へのIAEA調査団の受け入れを発表するなど、協力姿勢を演出している。ただ、パルチンでは敷地内で重機をしきりに動かすなど「証拠隠滅」を思わせる活動が確認されており、欧米側の疑念を呼んでいる。
米代表団は8日、「もし、イランが(IAEAに)必要な協力を提供しなければ6月の次回理事会で次の措置を取らなければならない」とイランの対応次第でさらに厳しい対抗手段に出る可能性を示唆した。また、パルチンでの証拠隠滅疑惑について「事実なら極めて深刻だ」と述べた。
8日の理事会は、イランによるウラン濃縮活動の拡大やIAEA調査団への協力不足など、天野之弥事務局長から先に報告された現状や疑問について集中的に協議した。イスラエルによるイラン核施設への空爆の可能性が取りざたされる中、疑惑解明に向けたイラン側の出方と、イランと近い関係にあるロシアや中国の対応が焦点。
イランでは、イスラエルなどによる空爆を想定して地下施設でのウラン濃縮活動が急拡大しつつあり、欧米はイスラエルの軍事攻撃を抑制するためにもイラン核問題の解決を急いでいる。
(2012/03/09) -毎日jp-
事実、マーケットは戦争ありきで動いている。原油価格や先物、金、海外の株式・債券などは、かなりの部分がそれらを織り込んで動いていた。最近では、その反動だろうか、やや反発的な動きであったが、これらが再び不安定化しかねない。特に債務危機を内包している通貨ユーロ圏にとっては、マネーが再びシステム攻撃をしかねない状況とも紙一重であり、綱渡り的な現状では、国際情勢の動きに敏感にならざるを得ないであろう。
関連エントリ:
└ ロシア中東戦略の裏側で・・・ 「イスラエルと南部連邦管区」 (2009/09/09) [青革の手帖]
└ プーチン戴冠へじわり 「プー帝ロシアは止まらない」 (2011/06/24) [青革の手帖]
└ パネッタ米国防長官 「イスラエルによるイラン攻撃」を黙認か (2012/02/03) [青革の手帖]
ただ、これらの動きを“対イラン攻撃で終了”と思い込んではいけない。私も過去のエントリ(2009/09/09)で取り上げたのだが、イスラエルの動きが中東のみならず、カフカス地方やロシアが統治する南部連邦管区にまで拡大する可能性もある。ブログ記事を書いた2009年当時には、ほとんど誰も相手にしてくれなかった内容であったが、いま振り返ってみると、かなりヤバイ地図や画像なんかをアップしていた。これを見てみると、まるで現在の国際情勢を予見していたかのようなエントリでもある。つまり、現状が私の分析どおりなのだろう。
参考サイト:
└ ハートランド -Wikipedia- (ウィキペディア)
└ 地政学 -Wikipedia- (ウィキペディア)
└ ハザール -Wikipedia- (ウィキペディア)
【かつて存在したハザール王国】

(国を挙げてユダヤ教に改宗した国。その子孫たちもユダヤ人になった。)
【イスラエル奥の院が密かに目指す「レコンキスタ」(=国土回復運動)】

(アシュケナジム・ユダヤ人が望むのは、旧ハザール領の回復運動か?)
上掲地図を見て分かるとおり、イスラエルがハザール王国領の国土回復運動(レコンキスタ)を狙うということは、周辺国のヨルダンやレバノン、シリアを巻き込むだけでなく、イラクやトルコのクルド人地域、イランなどを蹂躙し、カフカス諸国のアゼルバイジャンやアルメニアにも影響を与える。そして、何と言ってもロシアと紛争状態にあるグルジアやチェチェン共和国をも刺激しかねない。それはユーラシアのスーパー大陸国家・ロシアの力の源泉である南ロシアの統治にも影響を及ぼしかねないということである。近い将来、ロシアがここに危機意識を持つことも予想される。
【南ロシアに潜む聖なるトライアングル】

(ここは「帝国の源泉」。この地を治めるものが世界を支配する!)
関連エントリ:
└ 誰も書けない! グルジア情勢の影と闇 (2008/08/26) [青革の手帖]
以前に書いたエントリでも述べたのだが、旧ソビエト連邦のボロボロの崩壊から、現在のロシアがここまで堅固になったのは、南部連邦管区を含むこの地を統治し続けたからに他ならない。敢えて言えば、天然ガスや原油などのエネルギー資源なんかは「副産物」だ。ロシアのハートランド戦略における南部連邦管区はそれほどまでに重要な礎である。ロシア自身がそこに危機が迫っているという自覚を持っているのなら、どんな手を使ってでもそれを排除するのは当然だろう。よって、クレムリンの動きには、特段の注視が必要である。
「米国ブッシュ政権のイラク戦争は、やっぱり正義だった?」
上述のような逆説的分析をして、的中させてきた私の視点からの考察として、米ブッシュ政権が断行したイラク戦争やその後の占領統治などにも、既存の定説以外の暗意があったのではなかろうかという説も浮かび上がってくる。今までの既存の定説としては「米国ブッシュ政権と背後のネオコンが、単独覇権主義を掲げて、原油産業や軍事産業に利益がもたらされるようにイラク戦争をやった。」ということになっているが、本当は、イスラエル奥の院がレコンキスタ(国土回復運動)をしないように、莫大なコストと犠牲を払って、身体を張って、米軍があいだに割って入っていたというのが実情なのだろう。そう考えると、米国ブッシュ政権のイラク戦争は、正義の戦争だったということになり、米国政府は世界の安寧を考えて、思慮深い決断をしていたということになってしまう。もしかしたら、こういう風に再評価される日の到来さえもありえそうだ。
さて、イスラエルによるイラン攻撃に、アゼルバイジャンなど周辺国が、本当に手を貸すのかどうかというニュースに、日本国民も敏感にならなければならない。遠く離れた他国の話だと思っていてはダメだ。国際情勢の激動は、容赦なく日本国内にも多大な影響を与える。おそらく、消費増税分の増収分は、軽く吹っ飛ぶであろう。それくらいの危機が迫っているのに、日本の政治家やマスコミ、企業、そして、個人も危機意識が薄い。事が起こってから対処すればいい、危機が迫ってきてから対処すればいいという“日本人的な漸減邀撃観”から、脱却すべきである。少なくとも、今回の危機は、もう目の前に迫ってきている。

参考サイト:
└ 帝国の終焉 -Amazon.co.jp-
by extremist5123
パネッタ米国防長官 「イスラ…